タイトル:Google オプティマイズ終了後にもGA4でABテストを行う方法
あなたは、Google オプティマイズ終了後のABテストツールの選定に困っていませんか?
Google の公式の発表によると、Google オプティマイズは 2023年9月30日まではこれまで通りサービスを利用できます。翌日の2023年10月1日からは、無償版・有償版ともにサービス提供が完全に終了し、実施中のABテスト・パーソナライズが停止するとともに過去データの閲覧も出来なくなります。
それでは10月1日以降、ABテストはどのように行えば良いのでしょうか。
結論、無料でABテストができるツールはあまりないので、有料サービスへ切り替える必要がありそうです。
執筆時点では、VWO、ABTasty、Optimizelyの3つのABテストツールが公式からGA4との連携を発表されています。
引用:https://support.google.com/optimize/answer/12979939?hl=ja
Googleオプティマイズのようなアナリティクスと統合型のABテストツールは、現在開発中であり、いずれは今まで通り無料のABテストツールが利用出来るようになると想定できます。ただし、その機能がいつ使えるようになるかは明言されていません。
そのため前述の3つの有料版ABテストツールの中からサービス利用を検討することが現実的です。
この記事を読むとあなたにピッタリのツールが選定できるでしょう。[a]
それでは、実際に100社以上のUI/UX改善支援の実績があるコンサルティングファーム・株式会社メディアシアターが、各サービスの特徴と、どんな利用者におすすめなのか、について解説いたします。
まずは上記で述べた3社を比較してみましょう。
この表から
がおすすめであると判断できます。
その中でも、弊社はVWOもしくはAB Tastyをおすすめします!
なぜなら、今後Googleからオプティマイズに代わる無料のABテストツールが新しく開発された場合にそちらに移行することを考えると、イニシャルコストは極力低く抑えた方が良いからです。
VWOは、月間5万人までの訪問者であれば無料で利用できるため、これに該当する方はVWOを使用することをおすすめします。
ただし有料版に関しては、AB Tastlyの方が低価格なため、月間5万人以上の訪問者がある方はAB Tastlyの利用をおすすめします。
とは言っても、各企業ごとに重視する観点は異なると考えられるので、ここからは各ツールの特徴を詳細に確認していきましょう。
VWOは
・ABテストを無料で試したい方
・ヒートマップ、ウィジェット機能を使いたい方
・ABテストツールとしての実績を重視したい方
におすすめのツールです。
特徴は以下の通りです。[d]
VWOを利用している企業は、以下のような有名企業が挙げられます。[e]
以下で、VWOを利用したVendio成功事例を紹介します。[f]
中国ECサイトの最大手アリババのグループ企業であるアメリカのEC関連企業Vendioは、複数のECプラットフォームへの商品の出品を管理するEC出店者向けの無料ツールを提供する会社です。
もともとVendioの画面デザインは、可能な限り登録完了までの手間・画面遷移数を抑え、登録完了率を最大化するために、LPに登録フォームを埋め込む形のデザインが採用されていました。
すでにサイトは簡素化されていたため、これ以上のデザイン改善は考えづらい状態でしたが、VWOを利用したABテストで考え方を全く変えたパターンのテストが実践されました。登録フォームを別画面に移し、ランディングページではあくまでサービスの内容や価値を訴求するパターンをテストしたのです。
ユーザー側からすると手順が増えるため登録完了率が下がるリスクもありましたが、実際には会員登録数が160%も改善しました。
固定概念に縛られるとなかなか実践できない変更も、ABテストツールがあれば思い込みを払拭して大胆な実験も行うことができ、それによって大きな成果創出を実現した好事例と言えます。
情報・引用元:https://exidea.co.jp/journal/growth-hack-by-ab-testing[h]
AB Tastyは
・低価格で基本的なABテストを行いたい方
・マウスのみで簡単に操作を行いたい方
・ウィジェット機能、AI機能を使いたい方
におすすめのツールです。
AB Tastlyの特徴をまとめると以下の通りです。
AB Tastyを利用している企業は、以下のような有名企業が挙げられます。
AB Tastyを利用したDanoneの成功事例を紹介します。
Danoneは、ヨーグルトをはじめとした乳製品で世界的なブランドです。1919年に設立されたDanoneは、「One Planet. One Health(ひとつの地球、ひとつの健康)」というスローガンを掲げ、環境に配慮した事業を推進する企業として世界中で知られています。
DanoneのWebサイトには、ロイヤリティプログラムの一環として、商品に印刷されているコードを入力するページがあります。このコードを入力するとポイントが貯まり、他の商品や割引券と引き換えることができます。
Danoneのマーケティングチームは、このロイヤリティプログラムの登録者数を増やしたいと考えました。しかし、「登録」と「ログイン」の CTA ボタンが同じポップアップで表示されていたため、訪問者が混乱していることがわかりました。そこで、より訪問者にとって使いやすいサイトにするために、タブシステムを採用することにしました。
タブは、ページをセクションごとに整理するのに適しており、ユーザーが求める情報に迅速にアクセスできるためストレス負荷を軽減できます。また、コンテンツのスペースを節約できるため、ページレイアウトの視認性が上がり、ページ全体が見やすくなります。
これを念頭に、Danoneのチームは2つのタブを使用して、「ログインセクション」と「プログラムに登録するフォーム」を明確に区別するパターンを作成しました。ABテストを設定して、ポップアップと代替バージョンのパフォーマンスを比較し、コンバージョンが増えたかどうかを判断しました。
このテストは、5ヶ月間で60万人以上のユーザーを対象に行われました。
その結果、ログイン率が178%、登録率が129%に改善しました。それだけではなく、Danone社はこの新デザインによってユーザーの再訪問率を235%に改善させることにも成功しました。
情報・引用元:https://abtasty.gaprise.jp/resources/case-studies/dannon-loyalty-program
Optimizelyは
・充実した機能や手厚いサポート支援を受けたい方
・ABテストを、迅速に/正確に行いたい方
におすすめのツールです。
特徴は以下の通りです。
Optimizelyを利用している企業は、以下のような有名企業が挙げられます。
以下で、Optimizelyを利用したSonyの成功事例を紹介します。
Sonyは、電気機器、音楽、映画、テレビ番組、ゲーム、金融サービスなどを提供している日本初のグローバル企業です。
同社のWEB担当者は、ノートパソコンを販売しているWEBサイトにおいて、買い物かごに入れてから注文完了するまでのプロセスで離脱率が高いという課題に直面していました。
この訪問者の離脱率を低減し、最終的に購入に繋げるための効果的な方法を見つけるために、ABテストを実施することにしました。
事実、パソコンのカスタマイズ画面で多くの離脱が生じていました。仮説として、このカスタマイズ製品の説明を簡潔に説明することにより、顧客が十分な情報を得て、購買の判断を下すことが、容易にかつ迅速にできるのではないかと考えました。
テストの結果、オリジナルに比べて注文確認ページに達する訪問者が120%以上も改善しました。この施策は、Sony にとってかなりの収益増加をもたらしました。
情報・引用元:https://optimizely.gaprise.jp/case-studies/sony
①実行中のテストを終了する
まず、 現在実施中のテストは9月30日までに確実に終了させておきましょう。
なぜなら、異なるツールでのデータ取得は計測結果が不正確になるからです。
例えば、同じ計測指標であってもツールによって計測の定義が変わることがあります。
例えば、ページ読み込み時間を計測する場合、一方ではコンピュータ上での読み込み時間を計測し、他方ではユーザーのブラウザでの読み込み時間を計測する場合があります。この場合、同じ指標で合っても異なった数値が表示され計測結果が不正確になります。
そのため異なるツールを横断した計測は避けるため、Googleオプティマイズのテストは終了し、新しい計測ツールで計測を始めましょう。
②過去のテスト結果を保存しておく
過去のテスト結果を保存しておきましょう。
なぜなら、サービスが停止する9月30日以降はいつ過去のテストデータが破棄されるかわからないためです。
過去のテストデータを保存しておくことで、過去に行ったものと類似したテストを行ってしまう重複計測の問題を回避できます。
③試したいテストは今のうちにやっておく
試したいテストは今のうちにやっておくことを推奨します。
なぜなら、新ツールではテストの量に応じて負担額が増加する仕組みとなっている可能性があるためです。
ABテストの効果が判明するのに、一般的に1ヶ月程度を要するので、試したいテストは8月までに実装しておくことが賢明でしょう。
④ABテストを実施する目的に立ち返って、テスト設計を行う
ABテストを実施する目的に立ち返り、テスト設計を行うようにしましょう。
なぜなら、ABテストを行うことが目的となり、成果を出すという本質の目的を見失っている場合があるからです。
ABテストの試行回数を増やすがあまり、より本質的な顧客調査が疎かとなり、結果的に無益なABテストを繰り返しているというケースが考えられます。
再度ABテストを実施する目的に立ち返り、社内リソースなどを鑑みて計測の再設計を行いましょう。
今回はgoogleオプティマイズの代替となるAB テストツール3つと、今準備すべきこと4つを紹介しました。
代替となるABテストツール3つは
・AB Tasty
・Optimizely
・VWO
今準備すべきこと4つは
・実行中のテストを終了する
・過去のテスト結果を保存しておく
・試したいテストは今のうちに行っておく
・ABテストを実施する目的に立ち返ってテスト設計を行う
です。
9月のgoogleオプティマイズ終了に備えましょう!
もし貴社が、GA4とABテストを活用することによって中長期視点で売り上げを最大化したいのであれば、データ分析の知見の高い会社に依頼することをお勧めします。
1000社以上の支援実績があるコンサルティングファームである弊社には、国内での大手企業の様々なサイト構築ユーザビリティを改善してきた実績があります。
是非他社の実績と照らし合わせて検討してみてください。
[a]書き出し文は、わかりやすく簡潔に
[b]VWOは月間5万人までの訪問者であれば無料で利用できる。
・「イニシャルコストを抑えた方が良い」というメッセージなので5万人まではVWO、それ以上であればAB Tastlyという見解にすべき
・おすすめ順に解説する
[d]簡潔に、わかりやすく
[e]可能ならば、訪問者にとって目を惹く(既知の)事例
[f]簡潔に、わかりやすく
[g]キャプチャはできるだけレギュレーションを統一する
[h]引用元はなるべく記載する